感想:
★★★★☆
主人公:倫子は、インド人の恋人にある日突然、生活雑貨とお店をだすためにためていた貯金を持ち逃げされ、ひとりぼっちになってしまいます。
その絶望がひどすぎて声も失ってしまい、実家に戻ります。
実家には確執がある母親だと、白いブタエルメスがいてそこで今まで経験してきた様々な料理作りをいかそうと食堂を開くことを決意します。
小学校の頃から力をかしてくれる熊さんの協力をあおぎながら、一日一組だけのメニューのない食堂を開くことになります。
事前に直接面接して、お客が食べたい物とか、好みをきいてふるさとにある素材や亡くなった祖母が教えてくれた料理の知恵をかりて食べる人の心に響く料理を出します。
すると、徐々に自分自身とお客さんの心もかえていき、そして母との確執もついに...声も取り戻すことができるのか...
いろいろな多国籍の料理が紹介されるんですが、どの料理の描写もリアルで目の前に浮かんできそうで、おいしそうだったなぁって思いました。
ここまで食べることに重点をおいた小説を読んだ事がなかったし、主人公の素材に対する気持ちや料理にこめる「こころ」が、つたわってきて温かくなりました。
電車で読んでいたんですが、最後の方で、(ネタあかしはしませんよ) ある手紙を読むシーンがあるのですが、うっかり涙を浮かべそうになってしまったので途中で読むのをやめたほど、癒されるお話であり、感動のあと、自分も勇気を出して再生していこうという気持ちが芽生える作品でもありました。
主人公は料理をとおして、食べた人が純粋に喜んで、幸せにおいしいといってもらえる料理をつくろうと改めて思うのですが、自分も料理ではなくても仕事などにおきかえて同じようにやってみようと思いました。
物語後半で、主人公がインスタント食品ばかりを食べて痩せていくシーンがあります。
そこではインスタント食品は感情や思い入れが入っていないという描写があります。
これも違う角度で「食べる」ことの本当の大切さを教えてくれているんだなぁと思いました。
「食べる」ことってほんとに自分自身はもちろん、料理に感謝して愛することだとわかります。

読んだあと、心もお腹も満たされる...そんな作品です。
「食堂かたつむり」のその後もまだまだ読みたいと思ったのであえて★4つですが、かなりオススメですヨ!!
なるへそ
トラックバックさせていただきました。
温かい気持ちになれる物語でしたね。
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