感想:
★★★★☆
じんわり温めて心の疲れをほぐします。
駅前商店街にはずれ、赤い鳥居が並んでいるあたりに、夕暮れになるとあわられる不思議なコンビニ「たそがれ堂」。
大事な探しものがある人は、必ずここで見つけられるという。
今日は、その扉をくぐるのは...?
慌しく過ぎていく毎日の中で、誰もが覚えのある戸惑いや痛み、矛盾や切なさ。
それらすべてをやわらかく受け止めて、昇華させてくれる5つの物語。
人は誰でもあの時、「もしも」「〜たら」「〜れば」と自分の人生を振り返ることがあると思います。
人生と大きく上げなくても少し前のことでも...。
この物語はいろいろな人たちのそんな希望をかなえてくれるコンビニを舞台にしたお話5編。
小学5年生の江藤雄太は、硬派な自分を演じているけど、実はとっても猫好きな男の子。
ある時、同じクラスにいる美音が、捨て猫の前で困っている姿をみて、猫アレルギーの美音の家族のかわりに、引き取ってあげました。
そして、いつも硬派な自分を演じてきた雄太でしたが、美音の前だけは軟派な素の自分を出す事ができ、二人の心は近くなるのですが、ある時同級生に冷やかされて、美音が渡そうとしていた大切なメモ帳のプレゼントを受け取らずに距離をあけてしまいます。
そして、一学期が終わり夏休みになりました。
長い夏休みが終わって二学期になると美音の転校を知らされるのでした。
どうしてあの時、大切にしていた自分の宝物をプレゼントしようとしてくれた美音の気持ちに応えてあげることができなかったのだろうと、雄太はずっと悩んでいたのです。
そして気づくと何でもあるというコンビニの中に入って...

そこでコンビニから最後までちゃんといえなかった「さようなら」や「別れ」をいえることができるのです。
そこに新しい扉がまっているのですが、そんな設定から温もりを感じてしまいます。
その他、寿命がわずかな猫が人間になる飴をかいにくる「あんず」や、こわれてしまった大切なテレビをコンビニで見つける「あるテレビの物語」など、まさに心の温湿布のような素敵なお話が詰まっています!!
なるへそ